№63 所得税:医療費控除Q&A

2014.01.31 所得税:医療費控除Q&A

今回は、確定申告を控え、医療費控除に関して問い合わせの多かった項目のQ&Aを記載します。

Q1.その年中に支払った医療費の額より多額の入院給付金等を受け取った場合の医療費の計算はどうするのか?

A1.生命保険契約で受け取った手術給付金・入院費給付金、健康保険などで支給される高額療養費・出産育児一時金など、保険金で補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きません。

例えば、入院して手術を受け病院に10万円を支払い、保険会社から20万円の手術給付金、10万円の入院費給付金、健康保険組合から8万円の高額療養費を受け取ったとします。この場合、支払った医療費は0円と計算します。入院手術代の10万円より多く受け取った金額28万円は非課税所得となります。また、当該入院に係る医療費以外の医療費の支払いがあるときは医療費控除の対象となります。

Q2.医療費を補てんする保険金等の額が、確定申告書を提出する時までに確定していない場合の医療費控除の計算はどうするのか?

A2.医療費を補てんする保険金等の額が、医療費を支払った年分の確定申告書を提出する時までに確定していない場合には、補てんされる保険金等の見込額に基づいて計算します。

なお、後日、補てんされる保険金等の確定額と当初の見込額とが異なることとなったときは、その医療費控除額を訂正して、所得税の修正申告または更正の請求をします。(所基通73-10)

Q3.健康保険組合が各組合員に交付している「医療費のお知らせ」は、医療費控除を受ける際の領収書の代わりとなるか?

A3.医療費控除は、その年中に一定額以上の医療費を支払った場合に、その医療費について「領収した者のその領収を証する書類」を、確定申告書に添付するか確定申告書の提出の際に提示しなければならないこととされています。

健康保険組合から送られてきた「医療費のお知らせ」は、「医療費を領収した者のその領収を証する書類」に該当しませんので、領収書の代わりとすることはできません。(所法73、所法120、所令262)

(完)

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