№06 相続時精算課税制度の選択について
2009.07.07 贈与税
相続時精算課税制度の選択について
贈与税の課税制度には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあります。
(1)暦年課税とは?
1年間に贈与を受けた財産の価額から基礎控除額110万円を差引き、その残額に税率を乗じて贈与税を計算する制度です(相法21の5)。
(2)相続時精算課税とは?
平成15 年度税制改正で新設された制度です(相法21の9~21の18)。
①贈与があった年分
「65歳以上の親」から「20歳以上の子」に贈与した財産Aに対する贈与税Bを子が申告納税します。
②相続が発生した年分
親が死亡した時の相続財産と①で子に贈与した財産Aを合計して相続税を計算します。その相続税から①で子が納税した贈与税Bを控除することにより相続税を精算します。このように、生前贈与した財産を相続時に遺産総額に加えて、贈与税と相続税を精算する制度です。
相続時精算課税制度を選択すると、特別控除額2500万円以内であれば贈与税が課税されません。さらに、平成21年12月31日までは、2500万円のほかに住宅資金特別控除額として1000万円を控除できるので(贈与する親の年令65歳以上の制限なし)、住宅資金であれば、3500万円までの贈与には贈与税が課税されません(措法70の3、70の3の2)。それを越える部分には一律20%の贈与税が課税され、相続時に精算します。
将来相続税が発生しないと見込まれる親子間の生前贈与に相続時精算課税制度を上手に利用すれば、贈与税も相続税も課税されないというメリットがあります。
ただし適用にはいろいろな要件と手続きが必要です。また、デメリットもあります。詳しい内容はお問合せください。
(完)